スタッドレスタイヤ の寿命を見極めるには

スタッドレスタイヤ は冬にしか使わないので、劣化に気づきにくいということが挙げられます。使用年数や走行距離が寿命の基準になるわけではありません。

実はスタッドレスタイヤの寿命はケースバイケースであり、使用環境に大きく左右されます。

明確な基準が無い

スタッドレスタイヤの寿命には、使用年数・走行距離などに代表される明確な基準がありません。安全基準を下回る状態のスタッドレスタイヤを使い続けてしまい、スリップを起こしてから寿命に気づくという場合もあります。

簡単に分かる年数や距離が寿命の目安になれば、こうした事態は避けられるかもしれません。しかし反対に、目安を規定することが安全性の妨げになる場合もあります。

ゴム製品であるタイヤ

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤ の寿命は運転の頻度・走行環境・夏の間の保管方法・保管場所の違いなどの要因に大きく左右されます。

ゴム製品であるタイヤ。使用すればするほど摩耗していきます。ここで、走行距離は一つの指標にはなりえますが、例えば主に高速を走る場合と主に一般道を走る場合、それぞれタイヤにかかる負荷が異なるため、タイヤの摩耗を走行距離だけで判断することはできません。

それに屋外で数年間保管していたスタッドレスタイヤの場合、走行距離は短くても雨風にさらされてタイヤが劣化している場合があります。走行距離だけではタイヤの寿命が判断できない由縁です。

寿命の目安

スタッドレスタイヤ

では、スタッドレスタイヤ の寿命を知るためにはどうしましょう?安全に走行するためには頻繁に摩耗の度合いをチェックするのが良いですが、新品のスタッドレスタイヤの場合、極端に劣化する可能性は低いので、チェックも怠りがちになります。

こんなとき、スタッドレスタイヤの寿命がつきるおおよその使用年数・走行距離を知っておけば、効率よく摩耗度のチェックができるでしょう。

一般的なスタッドレスタイヤ のおおよその走行年数や距離を知っておきましょう。

3〜4年が目安

もし毎冬スタッドレスタイヤを装着するなら、安心して走行できる年数は34になるでしょう。

ただしこの年数は使用開始時期から数えたものではなく、製造されたからの経過年数です。

製造年数を確認する

スタッドレスタイヤ

製造年数はタイヤのサイドウォール部分に記載されています。

アルファベットの後に続く4ケタの数字を探してみてください。下2ケタの数字が製造年です。2018年製造であれば「18」と記載されます。また上2桁は製造週を表していますので、計算すると何月に製造されたのかが分かります。「10」であれば10÷4=2‥2ですので、3つめの月の3月頃ということになります。

サイドウォールに刻印された製造年数から3経っている場合、スタッドレスタイヤの劣化チェックを行うことをおすすめします。

走行距離の目安は10,000kmから15,000km

走行距離が長くなればなるほどタイヤは摩耗し、寿命がその分減っていきます。寿命を測る距離の目安としては距離10,000kmから15,000kmとなっています。走行距離がこれに近づいたらタイヤの状態を確認しましょう。

スタッドレスタイヤ の寿命は都道府県ごとに違う?

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤは雪道や凍結道路の走行に特化したタイヤです。すなわち、降雪が多い地域では比較的早くに装着して遅く取り外しますが、一方温暖な地域では一度も雪を踏まないまま夏タイヤに交換されることもあります。

四季に地域差があるのは、日本が南北に長いためです。四季だけでなく、都道府県ごとにもスタッドレスタイヤの寿命に差はあるでしょうか?

タイヤの摩耗

降雪が多い北海道などでは早くも10月頃からスタッドレスに履き替え始めます。一方都心の場合、雪の降る頃や、あまり雪の降らない地域で初雪が観測されたタイミング、または雪の予報が出てから慌てて履き替える方もいらっしゃいます。

スタッドレスタイヤに限った話ではなく、タイヤは全て、使えば使うほどその寿命が短くなっていきます。長くスタッドレスタイヤを使う、降雪の多い地域ではタイヤの摩耗が進みやすいと言えるでしょう。

しかし、降雪路面以上にスタッドレスタイヤの寿命を縮める要因があります。それを次の節で説明していきます。

スタッドレスタイヤ の寿命を大きく縮める要因

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤは雪道や凍結道路を安全に走行しているだけでは酷く摩耗することはありません。スタッドレスタイヤの寿命を大きく縮める要因は、乾燥道路での走行です。

タイヤのゴムは寒さで硬くなります。それを踏まえ、スタッドレスタイヤのゴムは夏タイヤよりも柔らかくなっています。雪や氷の上でも柔らかさを保つことによって、路面に密着してスリップを防ぐ仕組みです。また、路面との間に溶け出す僅かな水を吸い上げる目的で、タイヤ表面には深い溝がいくつも設けられています。

このスタッドレスタイヤで乾燥道路を走行するとどうなるでしょう。柔らかいゴムは当然、簡単に摩耗していきます。また、溝に吸い上げる水分がないまま路面の摩擦を受ければ、トレッドパターンの角はどんどん削り取られて行きます。

これらのことから、スタッドレスタイヤで乾燥道路を走行するとタイヤの寿命は短くなってしまいます。

装着時期や走行路面によっても変わる寿命

北海道でするように、秋頃にスタッドレスタイヤに履き替え、都心で高速走行を繰り返した場合、乾燥路面での摩擦と高速走行によるタイヤへの負荷が大きく、摩耗が進行します。

また、冬が終わっても夏タイヤに履き替えずに、もう一度雪の季節を迎えた場合、それまでの夏の熱い道路で更に摩耗が進み、寿命が縮んでいるだけでなく性能が低下してしまっている恐れがあります。

スタッドレスタイヤの寿命を決める要因は実際に思われている都道府県差ではなく、スタッドレスタイヤに適していない環境での走行頻度だと言えるでしょう。

寿命を見分けるポイント

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤの寿命の目安となる年数・走行距離は、あくまでも「目安」です。使用環境によって摩耗・劣化のスピードが異なるため、たとえ使用年数が2年であってもタイヤの寿命が終わっていることは十分考えられます。

では、タイヤの寿命はどのようなポイントで判断すれば良いのでしょうか。次に挙げる4項目のどれか一つでも当てはまれば、タイヤ交換の時期です。

プラットフォーム

スタッドレスタイヤの性能を発揮するのが、接地面の溝の深さです。これが十分でないと道路表面の水を吸い上げることができず、スリップを起こしてしまいます。そのためタイヤがすり減って溝が浅くなっていれば、スタッドレスタイヤとしての寿命が来たと言えます。

新品のスタッドレスタイヤの溝の深さはおよそ10mm程です。これが50%摩耗したら寿命のサインです。摩耗を見逃さないようにするため、スタッドレスタイヤにはこれを視覚化する「プラットホーム」が設けられています。

タイヤのサイドウォールに刻印されている小さな矢印が示す先を辿っていくと、タイヤの溝の中に盛り上がった部分があります。これがプラットホームです。

製造時のタイヤの溝の50%の高さで作られており、タイヤが摩耗していくとプラットホームが出てきます。プラットフォームが完全に露出してしまう前にタイヤ交換を行いましょう。

スリップサイン

スタッドレスタイヤは溝の深さが半分になったら寿命とみなしますが、あくまでこれはスタッドレスとしての性能の寿命です。つまり、この状態でも夏タイヤとして乾燥路面を走ることは可能です。

夏タイヤとして走行可能なタイヤの溝の深さは1.6mm以上であり、これを下回ると車検を通過できません。すなわち道路交通法違反(整備不良)とみなされ、罰金・減点の対象となります。このラインを見逃さないようにするため、スタッドレスタイヤにも夏タイヤにも「スリップサイン」が設けられています。

タイヤのショルダー部分に刻印されている小さな三角が示す先を辿っていくと、プラットホームに似た盛り上がりが確認できます。これがスリップサインです。

スリップサインの高さは約1.6mm。タイヤが摩耗してスリップサインが見えてきたら、タイヤ交換の時期です。

タイヤゴムの硬度

スタッドレスタイヤの性能上、タイヤのゴムの柔らかさはとても重要です。路面に密着できる柔軟性が保たれなければスリップを起こしてしまいます。

一方、ゴムの経年劣化は避けられません。タイヤゴムは使用年数が長くなればなるほど硬化していきます。しかしながらタイヤゴムの硬化は目で見て分かるものではありませんし、実際触っても判断できません。

スタッドレスタイヤの経年劣化が気になるときは、硬度計を使って硬度を確認しましょう。

硬度計は、タイヤ以外のものにも使用できる汎用タイプ硬度計・タイヤ専用に使われるタイヤ硬度計など、幅広い種類がありますが、常備しておくのであればタイヤ専用の硬度計がいいでしょう。

硬度計を使用し、タイヤが硬い場合は数値が大きくなります。新品のスタッドレスタイヤの硬度は40程度です。これが60を超えた場合、スタッドレスとしての性能は低下しています。この場合はタイヤの寿命とみなしてタイヤを交換しましょう。

自分で計測する以外に、タイヤショップで硬度を計ってもらうことも可能です。その際は、硬度計を借りて自分でも測定してみましょう。

硬度計は、測定針の押し付け方によって数値が変動します。また、測定部位によっても差が出ます。そのため、複数の測定者の手で様々な部位を測定することが正確な測定に繋がるというわけです。

タイヤブロックの端は元々硬度が高く出来ているため、複数のブロックの中央を測定するようにしましょう。

ヒビ割れ

外観で判断できるタイヤの寿命として、「ヒビ割れ」があります。たとえ溝が残っていたとしても、ゴムがひび割れていたら交換してください。そのまま走行した場合、バーストの危険性があります。

ヒビ割れは、保管最中にも起こってきます。スタッドレスタイヤに履き替える際は、ヒビ割れがないか必ず確認しましょう。

使用頻度の低いタイヤ・保管中のタイヤに注意

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤが使われるのは、スリップの危険性が増す冬の時期のみです。そのため、地域によっては保管している期間の方が長い場合もあるでしょう。さて、使用しなければタイヤというものは劣化しないのでしょうか?

答えはノー。実は保管中にもタイヤは劣化し、寿命が短くなっていきます。では、劣化させずにできるだけ長くタイヤを使うために出来ることとして、どのような点が挙げられるでしょうか。

1.水分や油分から守ること

タイヤ内部に使われている金属製のコードビードと言います)は水分によって劣化するものです。屋外でタイヤを保管している場合、雨水がかかったり、水に浸からないように気をつけましょう。たとえカバーをかけている場合でも、地面から水分が侵入してくることがあります。

また、タイヤのゴムには油分を吸い上げる性質があり、これも劣化の原因となります。ガレージなど、オイルを使用する場所での保管には十分ご注意ください。

2.入れる空気を少なめにすること

ホイールごとタイヤを保管する場合は空気圧を高くしたままだとタイヤに負担がかかります。ヒビ割れを避けるため、保管時は空気圧を通常の半分ぐらいに下げておきます。

3.紫外線に当たらない工夫をすること

スタッドレスタイヤ

タイヤにとって、紫外線は大敵です。ゴムの劣化や変色を避けるため、UVカットカバーをかけたり、日が当たらない場所で保管するようにしましょう。

4.熱源のそばに置かないこと

タイヤは熱に弱いです。熱を持つモーターやバッテリーの近くでの保管はしないようにしましょう。

スタッドレスタイヤの寿命を見逃さないために

スタッドレスタイヤ

スタッドレスタイヤの寿命は使用環境・保管状況によって異なります。寿命を過ぎたタイヤを使用し続けたことによる事故を防ぐためには、劣化の程度をこまめに確認するようにしましょう。

ヒビ割れやプラットホームを目視で確認するのと同時に、車のメンテナンスに行った際には、必ずタイヤの硬度を確認してもらうなど、タイヤの状態を常に把握するよう心がけましょう。